国立がん研究センターの統計によれば、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が65%で女性が50%に達します。男女とも2人に1人はがんになる計算になります。厚生労働省の2020年の人口動態統計によれば、悪性新生物(がん)は死亡総数の28%を占め、2位以下を大きく引き離しています。1981年から死因の1位はずっとがんが続いています。
がんは一般に年齢が上がると患者が増えます。近年、患者数や死亡数が増加しているのは人口の高齢化によるものとされています。種類別では、大腸がんが最も多く、胃がん、肺がんが続いています。部位によって違いはあるものの、現在では5年生存率が6割を超え、がん=死のイメージは以前より低下しています。一方、医療の進歩などで治療は長期化・高額化しています。
(2021年10月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)