コロナ禍において、がん検診の受診者数が減少しています。新型コロナウイルスの感染拡大は、年間100万人が診断されるがんの患者にも深刻な影響を及ぼしています。感染の恐怖から検診による早期発見の遅れにより、手術件数も減少しています。
日本対がん協会の調査によれば、検診を受ける人が今年度、前年度比で3割以上減るとみる支部が半数以上あります。胃や肺など5種のがんは年間58万人に見つかり、うち2割強の12万人は検診や人間ドッグでわかります。受診者が1~3割減れば、1万~3万人程度のがんが見つからないことになってしまいます。
がんが早く見つかれば体への負担や経済的負担は軽くて済みます。自治体から検診の案内がきたら積極的に受け、検診で陽性だった場合は、精密検査を必ず受けることが大切です。
(2021年2月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)