2020年の国勢調査によれば、きょうだい(兄弟姉妹)世帯が増えてきています。1995年に55万人でしたが、2020年に72万人に達しています。65歳以上の未婚の人では、女性の8人に1人、男性も10人に1人がきょうだいで暮らしています。2020年の数値を年齢層ごとに見ると、きょうだい暮らしが多いのは、親元を離れる頃合いの20代と、40代後半より上の中高年世代です。60代後半が最多です。このきょうだい世帯の増加には、未婚率の上昇が関係していると思われます。
未婚のきょうだいで同居すれば、生活費が折半にでき経済的に助かるし、一緒に育っているので、影響を受けた物事や価値観、文化などを共有していて話が通じやすいといった利点もあります。同居までしなくとも、きょうだいがもしいるのなら、良好な関係でいるに越したことはありません。高齢になると同居するためには、対等であることや、適度な距離感が大切です。
(2021年12月19日 読売新聞)
(吉村 やすのり)