のどのつかえ・違和感の予防

つかえや違和感の原因は、胃酸が逆流する逆流性食道炎、蓄膿症などで鼻水がのどの奥に流れ落ちる後鼻漏が挙げられます。時にがんなどの腫瘍ができているケースもあります。ストレスが引き金になって症状が出ることもあります。
病気の中で比較的多いのが逆流性食道炎です。さらに胃酸がのどにまで逆流してくると、咽喉頭逆流症です。胃酸の逆流は食べ過ぎや早食い、食後すぐに横になる習慣、高脂肪食、飲酒、喫煙などを続けると起こりやすくなります。便秘だったり、ベルトできつく腹部を締め付けたり、前かがみの姿勢で長時間パソコンに向かったりすると、腹圧が上がって胃酸の逆流を招きやすくなります。
胃酸の分泌を抑える薬や胃の動きをよくする薬の服用によって改善する例が多いのですが、体にこれといった異常はみられないのに、のどの違和感だけ続くことがあります。咽喉頭異常感症で、症状に波があり、精神的なストレスのかかるときに出やすいとされています。漢方薬である半夏厚朴湯で、1~2週間で改善します。
ストレスをためすぎないようにし、生活習慣の改善が大切です。コロナ禍によって最近は在宅勤務やウェブ会議が多くなり、無意識のうちに声を高く張り上げるため、のどが乾燥しやすくなります。乾燥はのどの違和感の原因になりうるため、こまめに水分を補給して、のどの潤いを保つことが必要です。

(2021年5月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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