ふるさと納税は、2008年度の制度開始以来、寄付総額は大幅に増えています。制度開始当初の約81億円から、2018年度は約5,127億円、2023年度は約1兆1,175億円まで膨らんでいます。制度利用者も初めて1,000万人を超えました。
急成長により返礼品を扱う業者が原材料を確保することが難しくなり、埋め合わせる形で産地偽装を行うケースが多くなっています。より多くの寄付を得たい自治体側が業者を監視する構造的な難しさもあります。
相次ぐ偽装を受け、国や自治体は対策に力を入れています。総務省、消費者庁、農林水産省、国税庁は、2023年12月に各都道府県などを対象に、返礼品を扱う業者の提供体制を厳正に審査し、偽装が疑われる場合は速やかに調査するよう求める通知を発出しています。自治体側が、業者や担当職員へのガバナンスを利かせることが大切です。

(2025年7月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)