わが国における母体血胎児染色体検査(NIPT)の現状―Ⅶ

検査陰性者の妊娠帰結
 検査陰性であった妊婦の分娩後に確認した妊娠帰結についての追跡調査結果を図に示します。追跡調査対象は20134月から20169月までに検査を実施し、検査結果が陰性であった 37,694人であり、うち 29,288人(77.7%)で追跡調査が可能でした。検査陰性者のなかで 791人(2.70%)に出生時に形態異常が確認され、その中で最も多かった形態異常が心奇形で 263人に及び、奇形全体の 3分の1を占めていました。また、妊娠中にIUFDとなったものが240人(0.82%)、妊娠中断となったものが64人(0.22%)あり、IUFDおよび妊娠中断となった症例の原因としては子宮内感染や胎児異常が多くを占めていました。
 このことから、高年齢妊娠でのNIPT検査陽性率が約1.6%であることを考慮すると、高年齢の女性が妊娠した場合に約 6%程度の女性で先天的疾患を持つ可能性があることが示唆されました。

(NIPTコンソーシアムとして取り組んだ臨床研究に関する報告書)
(吉村 やすのり)

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