医薬品の貿易赤字の増加
日本の医薬品の存在感が低下しています。日本発の画期的新薬は減り、2000年代後半から膨らむ貿易赤字額は、2021年に初めて3兆円を超える見通しです。新型コロナウイルスでも、国産ワクチンの開発は遅れ、輸入に頼っています。医薬品開発は、化合物の合成からバイオ創薬へと競争力の源泉が移ってきています。
医薬品の2020年の貿易赤字は、2兆3,613億円の赤字です。スマートフォンを含む通信機の赤字の約2兆5,000億円に迫る規模です。日本全体を支える自動車や電子部品の貿易黒字を食い潰しています。新型コロナワクチンが追い打ちをかけています。
(2021年12月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)