わが国の原発の老朽化

福島事故前は、54基の原発が稼働していましたが、廃炉が進み33基に減りました。2000年代に運転を開始したのは5基しかなく、新増設も止まっているため老朽化が進んでいます。
政府は、福島事故後原発が稼働できる期間を運転開始から原則40年と定め、規制委が認めれば、1回に限り最長20年の運転延長ができるルールを作りました。2030年中に、33基のうち約半分の15基が、運転から40年を迎え、電力会社は廃炉か運転延長かを選ぶ必要が出てきます。政府目標の実現には、ルール制定時に例外中の例外とされた運転延長が不可避で、電力会社は老朽化対策のために巨額の投資も迫られます。
電力会社は、8原発11基の新増設計画を維持しています。しかし、着工済みは電源開発大間原発(青森県)、東電東通原発(同)、中国電力島根原発3号機(松江市)のみで、島根以外は福島事故後に工事が中断したままで、完成のめどが立っていません。

(2021年9月20日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。