わが国の携帯電話料金

わが国の携帯電話料金が、引き下げられる方向で最終調整に入っています。菅政権は、外国に比べて日本の携帯電話料金は高すぎると、携帯値下げを看板政策に掲げています。総務省は、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルの6都市で比べた携帯電話料金を6月に公表しています。実際に20ギガバイトのプランでは、東京が最も高く、ロンドンの約3倍でした。大容量プランを中心に、料金水準は国際的に見て割高が続いています。多額の利益を稼ぐ携帯大手3社に対し、もうけすぎとの批判もあります。
菅政権の発足後、値下げ圧力はさらに強まっています。まずは20ギガバイトの新料金が焦点となり、KDDIはサブブランドのUQモバイル、ソフトバンクはワイモバイルで、それぞれ20ギガバイトで短時間の通話料を加え、税込み月額5,000円以下のプランを10月に発表しています。携帯電話料金の値下げは、消費者にとってありがたい方針ですが、不妊治療の保険適用とともに、わが国の看板政策に掲げるのはいかがなものでしょうか。国民にとって身近な政策は、受け入れられやすいとは思いますが、10年後、20年後のわが国のビジョンを示す政策を提示してほしいものです。

 

(2020年12月2日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

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