わが国の社会保障を取りまく環境―Ⅱ

実質平均賃金の停滞

 税や社会保険料などのふたんが増えても、それ以上に賃金が増えていたら問題はありません。しかし、失われた30年と呼ばれる低成長から抜け出せず、この間はほとんど横ばいでした。最近になって、ようやく大企業を中心に賃上げの動きが広がっていますが、物価上昇のペースに追いついていません。

 OECDによれば、日本の1人あたりの実質賃金は、1993年には492万円でしたが、2023年は490万円にとどまっています。主要国の賃金と比べると、日本の停滞ぶりは際立っています。物価水準を考慮した購買力平価ベースで各国の平均年収を比べると、米国や英国は伸びが1.4倍を超し、日本と大差をつけています。韓国も賃金が順調に伸び、日本を上回っています。

(2025年7月1日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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