新型コロナウイルスの感染拡大で、日本はデジタル行政の後進国ぶりが露呈しています。代表例が1人10万円の特別定額給付金です。4月に支給が決まった後、手元に届くまで数カ月かかった人も多くみられました。システムをうまく整備できず、オンライン申請の受け付けを停止した自治体は100を超えています。
国連がまとめる電子政府ランキングで、日本は2020年に14位と、前回2018年の調査から4つ後退しています。上位に並ぶのはデンマークや韓国、エストニアなどです。これらの国は国民IDや番号制度が整い、コロナ下でも給付金の支給などで迅速な対応が目立っています。日本の挽回の一手となりうるのがマイナンバーカードです。このマイナンバーカードの実施に対しては、以前から個人情報漏洩の問題点が指摘され、反対の意見が多く見られました。一日も早く、全ての国民がカードを持つようにすれば、デジタル対応も進むと思われます。
(2020年11月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)