アジアにおける異常降雨の増加

地球温暖化による自然災害の増加が、アジア経済の脅威になってきています。世界で河川水害などにより経済活動が停止する恐れのある場所の経済規模は、2030年時点で年間17兆ドル(約1,770兆円)に達し、中国やインドなどアジア地域の危険区域は、半分の8兆5千億ドルを占めています。

世界で相次ぐ自然災害は、長期的に経済活動を脅かします。水害リスクは、温暖化が従来のペースで進んだ場合、今後、災害の規模が一段と拡大します。影響額は中国が最大で、2030年にはGDPの14%にあたる4兆6千億ドルです。アジア全体では、合計8兆5千億ドルになります。有効な対策がなければ、2050年に14兆ドル、2080年に24兆ドルに達することになります。
気象庁によれば、降水量データにあるアジア周辺の観測拠点で、7月に平年より5割以上降水量が多かった地点は、全体の31%の53カ所と、7月として過去10年間で最多となっています。温暖化で大気中の水蒸気が増えると、雨量がかさ上げされます。中国や日本の長雨もその影響を受けている可能性があります。

(2020年12月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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