ACPとは、自分の人生で大切なことや希望する終末期の治療、ケアについて信頼する相手と繰り返し話し合うことをいいます。
意思表示ができなくなった時に、治療方針の決定を委ねる代理人を家族から選びます。医療やケアの情報を得るため、医療・介護従事者を加えることが望ましいとされています。
健康時のACPは、本人が家族らと考えを共有する作業が中心となります。晩年のACPは、緩和ケアの現場で行われることが多くなります。医師は病状から見た今後の患者の体の変化を患者や家族に伝え、どんな選択肢を望むかその都度考えてもらうことが必要となります。患者の声に耳を傾け、痛みや苦しみを感じながら、意思を知る作業が必要です。
(2018年4月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)