アレルギー疾患の増加

厚生労働省の患者調査によれば、アトピー性皮膚炎の患者数は1996年の31万8千人から2017年は51万3千人に増加しています。アレルギー性鼻炎は43万8千人から65万8千人に増えています。生活環境の変化などが背景にあるとされています。疾患別では、花粉症が41.4%、アレルギー性鼻炎が31.2%の順で多くみられます。
アレルギー疾患とは、体内に入ったウイルスや細菌などの異物を排除する免疫が過剰に反応することで症状が引き起こされる病気です。アレルギー疾患対策基本法が対象としている疾患は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーの6つです。治療は薬物療法のほか、原因物質を少量ずつ体に投与し、反応を緩和させていく免疫療法などがあります。
厚生労働省は、今夏から治療と仕事の両立支援コーディネーターを病院に配置するモデル事業を始めています。治療や生活、勤務の状況に応じた両立計画を作成し、疾患のため思うように働けなかったり、仕事で病院に行けず症状を悪化させたりする人を減らすとしています。モデル事業は、都道府県アレルギー疾患医療拠点病院7施設で実施しています。医療ソーシャルワーカーや社会保険労務士らがコーディネーターを担っています。

(2023年11月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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