アンコンシャス・バイアスの深刻性

2021年に実施した内閣府男女共同参画局の性別による役割のアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)についての調査によれば、そう思う、どちらかといえばそう思うの回答が76.3%に上っています。家庭や職場で性差に基づく偏見や先入観が根強く存在しています。
男性は仕事をして家計を支えるべきだという考えに、そう思う、どちらかというとそう思うと回答した割合が、男性は50.3%、女性は47.1%とともに最多です。女性には女性らしい感性があるものだの回答は、男性は51.6%、女性は47.7%となっています。
アンコンシャス・バイアスは、誰もが持っていると思われますが、その情報や知識が偏った思い込みであるとの認識も必要です。脳は物事を無意識に紐づけて理解をしようとしますが、自らの先入観や思い込み、勝手な解釈でステレオタイプ的な判断に至ることがあります。男性が外で働き、女性が家族を守るといった性別役割分担意識を、男性のみならず女性が持っていることは、女性活躍が望まれる社会において大きな今後の課題です。

(2022年11月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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