アンチ・ドーピング

アンチ・ドーピングとは、ドーピング行為に反対し、スポーツがスポーツとして成り立つための、教育・啓発や検査といった様々な活動をいいます。禁止される物質や方法は、世界アンチ・ドーピング機構禁止表国際基準に記載されており、少なくとも1年に1回(毎年1月1日)更新されます。
産婦人科領域で使用する薬剤のうち、OCならびにLEP製剤は、禁止物質に当てはまらず使用可能です。その他エストロゲン製剤やプロゲスチン製剤も投与経路にかかわらず使用できます。GnRHアゴニスト製剤は男性のみで禁止薬となっていますが、GnRHアンタゴニストは、男女ともに使用可能です。
禁止薬剤としては、クロミフェン、シクロフェニルなどの排卵誘発剤が含まれます。また子宮内膜症の治療薬であるダナゾールは、強い男性ホルモン作用があるため禁止されています。その他、骨粗鬆症や乳がんの治療薬である選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMs)、アロマターゼ阻害剤も禁止物質となっています。もちろん、更年期障害に使用されていた男性ホルモン注射薬も禁止薬剤です。

(日本女性医学学会ニューズレター vol.25 No.2 Feb.2020)
(吉村 やすのり)

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