インフルエンザに備えた検査体制の確立

秋冬はインフルエンザの流行で発熱患者の続出が見込まれます。コロナかインフルかを区別するためには、双方の検査ができる医療体制の確立が必要になります。厚生労働省は、双方を検査できる診療所などを増やすため、手続きの簡素化や財政支援を行う方針としています。日本感染症学会は、新型コロナ患者の発生がみられる地域で発熱や咳などの症状がある患者は、できるだけコロナとインフルの両方の検査を実施することを推奨しています。しかし、新型コロナの検査は、現状では専門の医療機関や検査所に事実上限られています。
内科を診療する医療機関は、全国に7万カ所程度あり、インフルの検査数の実績は、1日あたり最大30万件を上回っています。例年2千万~3千万人が検査を受けたり、ワクチンを接種したりしています。これに対し、コロナの検査が可能な医療機関は、8月19日時点で全国4,126カ所にとどまっています。現状の1日あたりの検査能力は、PCRだけで5万7千件で、抗原検査を上積みしても10万件程度にとどまっています。
厚生労働省は、10月までにコロナとインフルの双方の検査を受けられる一般の診療所を増やす考えです。PCR検査や抗原検査の機器を整備するための補助金を追加で交付します。身近な診療所を含む医療機関で検査できるようにするため、手続きも簡素化することにしています。

 

(2020年8月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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