慶應大などの研究チ-ムは、インフルエンザのワクチンを接種しても、6~11カ月の乳幼児と13~15歳の子どもには発症防止効果がないとの研究成果を発表しました。4727人の小児を対象にした世界的に例がない大規模な調査結果です。インフルエンザワクチンは、小児では生後6カ月以上の希望する人が受けることになっています。慶應大の22関連医療機関において、38度以上の発熱があって受診した6カ月~15歳のデ-タを分析しました。 6~11カ月では、患者が最も多かったA型で発症防止効果はみられなかったとしています。13~15歳では、A型もB型も効果がみられませんでした。
以前から、ワクチンの効果が低いとされるB型は、全年齢で26%しか効果がないとの結果が出ています。インフルエンザワクチンには重症化を防ぐ効果が期待されています。全年齢を対象に調べた結果、重症化の可能性がA型全体で76%減り、H1N1型では90%減ることが確認されています。B型は、重症化を防ぐ効果も確認されていません。13~15歳という中学生の年代で効果がみられない理由は、今後の検討課題です。
(2015年8月30日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)