インフルエンザの新しい治療薬が実用化されることになりそうです。これまで、タミフルなどの治療薬が使用されていました。タミフルはウイルスの増殖そのものを止める効果はなく、服用を5日間程度続ける必要がありました。新薬は、ウイルスの増殖を抑えて死滅させる作用があり、1日の服用で効果があるとされています。
新薬は喉や鼻から人体に入ったウイルスが増殖するときに使う酵素の動きを阻害します。そのためウイルスは増殖できず、そのまま死滅してしまいます。既に健康な人に投与し、安全性を確認する初期段階の臨床試験を国内で実施しました。今後は、インフルエンザ患者が増える11月以降、数百人規模の患者を対象にした第2段階の治験を始め、効き目を確認する予定です。
(2015年10月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)