ウイルス増殖の数理モデルでの解析

九州大や米インディアナ大は、ウイルスが体内の細胞に感染して増殖する様子を最新の数理モデルで解析しています。新型コロナウイルス感染症では、発熱などの発症からウイルス量がピークを迎えるまでの時間が、新型コロナ患者では約2日間でした。SARSでは3倍以上の7日間、MERSでは12日間でした。さらに新型コロナの体内での増殖モデルを使って投薬の効果をコンピューターでシミュレーションすると、発症1日後の投薬ではウイルス量がすぐに減るなど効果が大きかったのですが、発症4日後の投薬では効果が小さくなることが確認されました。
新型コロナでは、症状が出てから治療が特に有効な期間は2日程度しかなく、時間が経った人には投薬による十分な効き目が望めないことが明らかになりました。新型コロナをめぐっては、同じ治療薬の複数の治験の結果が大きく異なる例があるとされています。本当は有効な薬でも、投薬を始めるタイミングが遅すぎて効果が見られないだけかもしれないことが指摘されています。

(2021年4月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。