エボラ出血熱対策の強化

エボラは感染後、2~21日(通常は7~10日)で発熱や頭痛、倦怠感などの症状が出ます。下痢や嘔吐を繰り返して脱水状態となり、肝臓や腎臓などの臓器がダメージを受けて出血も起こります。根本的な治療法は確立していないため、対処療法として、入院して十分な点滴治療を行って回復を待つしかありません。エボラは空気感染はせず、症状のない患者に接触してもうつることはありません。
実際に感染が確認された場合、治療によって患者が回復しているかどうかを診断することになり、その検査では生きた病原体が必要になります。生きた病原体を使った検査を行えるようにするため、致死率が高く、感染症法で1類に指定されているエボラのほか、クリミア・コンゴ出血熱、南米出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱の病原体が輸入されます。病原体は検査を行う準備をした上で、感染研村山庁舎にあるBSL4施設に冷凍保管されます。

 

(2019年8月11日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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