オミクロンの重症化率

東京大学の仲田泰祐准教授らは、日々公表される新規感染者数と重症者数のデータを基にリアルタイムで重症化率を推定し、公開しています。東京都の重症者数の定義で試算したところ、2021年12月半ばからの感染拡大の第6波を巡り、現在の重症化率は0.03%でした。第5波が起きていた昨夏は0.66%で、比較すると約25分の1にとどまります。
一昨年冬の第3波(0.93%)、昨年春の第4波(0.83%)と比べても低くなっています。重症化率の低下は明確であり、コロナ対策は今までのやり方から大きく見直す必要があります。従来型の時のような厳しい行動制限を見直し、オミクロン型の特徴に応じた柔軟な政策に変更すべきです。
ワクチン接種の重症予防効果を考慮すると、今後は経済を止めて短期的に感染を抑制しても、長期的には累計感染者や死亡者を必ずしも減らせないと考えられています。保育所や学校が休園・休校で、2月にかけて職場での人手不足が深刻になる懸念があります。感染急拡大に伴い、濃厚接触者の増加が経済の足かせになってきています。政府は、28日に濃厚接触者の待機日数を現在の10日間から原則7日間に短縮すると考えられています。
特に医療関係者などのエッセンシャルワーカーについては、一律の濃厚接触者の扱いではなく、PCR検査や抗原検査で陰性であれば就労可能とする方針を一日も早く立てるべきです。

(2022年1月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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