厚生労働省は、若者の間で広がる市販薬の過量服用(オーバードーズ)をめぐって、市販薬に対する販売規制の対象に、新しく咳止め薬などに使われる2成分を追加する方針を決めました。対象となれば、購入時の乱用についての情報提供が薬剤師などの義務となり、18歳未満への複数個の販売も禁止されることになります。対象は、咳止め成分のデキストロメトルファンとアレルギー薬の成分ジフェンヒドラミンです。
市販薬の乱用は、ストレスから逃れる手段として若者を中心に広がっており、身体への深刻な影響が懸念されています。乱用されやすいものは、乱用のおそれのある医薬品として販売規制がかけられています。来年5月に施行される改正医薬品医療機器法で、乱用のおそれのある医薬品は指定乱用防止医薬品に名称が変わり、規制も強化されます。
市販薬の過剰服用は、孤立やストレスから逃れる手段として若者を中心に広がっています。厚生労働省の研究班によれば、過去1年間に市販薬を乱用した経験がある高校生は1.4%、中学生は1.8%と推計されています。

(2025年11月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





