カフェインには心臓の働きを強め、気管支を広げる作用があります。しかし、脳や中枢神経系にも刺激を与えるため、過剰に摂取すると、めまいや震え、不安症状などの健康への悪影響が出る可能性もあります。日本には、一日に摂取していいカフェイン量の基準ありませんが、カナダなどは摂取の目安を公表しています。子どもは体重が軽いため、成人よりもカフェイン摂取を控える必要があります。
カフェインの血中濃度は、摂取から約30分でピークになります。時間をかけて飲むコーヒーなどと異なり、冷たくて飲み干しやすいエナジードリンクは、血中のカフェイン濃度が急激に上がりやすくなります。甘めで爽快感があるため、子どもも大人も、連続して何本も飲んでしまいます。2015年には、九州地方の20代の男性が、エナジードリンクとカフェイン製剤の大量摂取で死亡した事故が報告されました。厚生労働省は、2017年に子どもや妊婦、授乳中の人などは、エナジードリンクを飲むのを控えるよう呼びかけを開始しています。イギリス政府は昨年、未成年への販売を禁じる方針を固めるなど、国内外で注意喚起の動きが広まっています。
(2019年2月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)