クレジットカードの不正利用被害は深刻な状況が続いています。一般社団法人日本クレジット協会によれば、2023年の被害は540億9千万円に上っています。不正利用被害は過去最悪の状況です。
警察庁は、クレジットカードの不正利用対策でカード会社との連携を強化します。警察庁が都道府県警の捜査で浮上したカード番号を集約し、警察庁からビザやマスターカード、JCBなど、国内シェアが合計で9割超を占める6ブランドの各日本法人へ情報提供します。カード発行会社へはブランド各社から共有します。カード発行会社には素早く利用停止の措置を講じてもらい、利用者に連絡のうえカードの差し替えを提案するといった流れを想定しています。
情報を盗み出す手口も巧妙化しています。警察庁によれば、国内の約40企業・団体が運営する電子商取引サイトに情報を盗み取る不正なプログラムが組み込まれていたことが判明しました。カード番号を含む30万件超の顧客情報が漏洩した恐れがあります。クレジットカード業界もECを通じた不審な取引情報を共有するシステムを構築し、商品発送を素早く停止する対策を始めています。
(2024年12月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)