ゲノム編集の医療応用

狙った遺伝子を改変するゲノム編集を使った治療法の開発が世界で進んでいます。2012年にゲノム編集のためのCRISPR/Cas9という技術が、米仏の女性研究者によって発表され、ノーベル化学賞を受賞しています。
これまでの遺伝子治療は、異常な遺伝子は残したまま、正常な遺伝子を入れていましたが、どこに入るか分かりませんでした。CRISPR/Cas9をはじめとするゲノム編集は、酵素をはさみ役として使い、狙った場所で遺伝子を破壊したり、挿入したりすることができます。
遺伝子の変異が原因の病気は多く、開発競争は激化しています。取り扱い簡単なCRISPR/Cas9のほか、改変した新たな技術も次々と登場しています。体外でゲノム編集した細胞を戻す方法のほか、ゲノム編集をするための道具を薬として直接、体内に入れる方法もあります。海外におくれをとった日本でも取り組みが始まっています。

(2023年6月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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