世界保健機関(WHO)は、ゲーム障害をギャンブル依存症などと同じ精神疾患と位置付けています。WHOによると①ゲームの時間や頻度を自ら制御できない、②ゲームを最優先する、③問題が起きているのに続けるなどの状態が12カ月以上続き、社会生活に重大な支障が出る場合に診断される可能性があります。2017年度に病的なインターネット依存の疑いがある中高生は、全国で93万人もいます。5年前からほぼ倍増しています。
生活に支障が出るほどオンラインゲームなどに没頭するゲーム障害が、世界各国で問題化するなか、厚生労働省は、ゲーム障害に対応できる医療人材の育成に乗り出しました。来年度から国の研究機関が、全国の医師らを対象に研修を始めます。都道府県と政令指定都市は研修を受けた精神科医らが所属し、診療実績を積んだ医療機関を選定します。専門医療機関として患者同士の自助グループなどと連携した、地域での治療体制を整えます。さらに専門医療機関の中から治療拠点機関を選定し、治療実績をとりまとめ、予防のための情報発信や他の医療機関への研修を行います。
(2019年10月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)