コロナ後遺症のメカニズム

新型コロナウイルスの後遺症を引き起こす原因は、国内外で研究されていますが、未だ特定できていません。メカニズムの一つと考えられているのは、新型コロナ感染による発熱などが治まった後もウイルスなどが全身にととまり、細胞や組織への攻撃が続くというコロナ残存説です。
米国やオーストリアの各チームは、今年新たな論文を発表しています。後遺症患者の腸には、感染から7か月後もウイルスの遺伝物質やたんぱく質などの破片が残っていることを発見しています。下痢や腹痛などの後遺症と関連があるとしています。
最近提唱されているのは、感染をきっかけに体内で過剰に作られるなどした抗体が細胞や組織を異物として攻撃するという抗体関与説です。本来はウイルスから体を守る免疫が、自分の細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫疾患に近いとされています。後遺症にメカニズムが分かれば、有効な治療法を見つけやすくなります。

(2022年5月29日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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