厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症で亡くなった人の遺体の処置や葬儀に関する指針の改定案をまとめました。現行の指針では、遺体からの 飛沫感染のおそれはないが、接触感染に注意が必要と指摘しています。体液に触れないように遺体を納体袋に収容する、遺体に触れることは控える、通夜や葬儀で遺族の最後の対面は可能であれば設定を検討し、オンラインなど対面を避ける取り組みも推奨するなどと定めています。
改定案では、接触感染に注意が必要としつつも、遺体の鼻などに詰め物をすれば、感染リスクは極めて低くなり、通常の遺体と同様に取り扱うことができるとしています。外傷などのない遺体は納体袋への収容は不要、通夜や葬儀は原則執り行うなどとしています。遺体との接触については、控えるとの記載を削除し、触れた場合は手指消毒するよう求めています。
遺体の取り扱いを巡っては、重症化リスクの低いオミクロン株が主流となり、感染対策と社会経済活動の両立が進む中で、亡くなった肉親との最後の対面を求める声が強まっていました。遺族にとっては、コロナ禍前に近い形での故人との別れが可能となります。
(2022年12月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)