コロナ禍での大学の授業

文部科学省の調査によれば、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、授業の半分以上を対面ではなく遠隔で行っている大学がなお187校に上っています。うち65校は、全面遠隔、ほぼ遠隔でした。首都圏を中心に感染対策に苦慮している大学は多くなっています。対面を半分未満とした187校を、所在地の都道府県別で見ると、東京が80校、埼玉13校、千葉12校、神奈川10校で、半数以上を首都圏の大学が占めています。感染が拡大する都市部の大学ほど学生の数が多く、教室での密を回避など、対面授業の前提となる感染対策のハードルが高いと思われます。
ほぼ遠隔と答えた東京大学は、感染防止の観点から教室の換気やインフラ整備などの必要性があるとし、対面授業は一定程度抑制的に進める必要があるとしています。ほぼ遠隔とした早稲田大学は、対面授業を増やしにくい理由として、在籍する学生5万人を一挙に集めることでクラスターの要因にもなるなどとしています。
文科省は、大学側に対し、感染対策を取ったうえで対面授業を増やすよう求めています。萩生田光一文科相は、対面授業の割合が低い大学を名指しして公表する考えを明らかにしています。

(2020年12月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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