コロナ禍での女性への影響

内閣府が設けたコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会の報告によれば、2020年平均の非正規労働者数は、男性が前年より26万人減ったのに対し、女性はその倍近い50万人減っています。女性の働き手の割合が高い飲食・宿泊業やサービス業が打撃を受けたためです。小学校の休校があった昨年の4月頃、小学生以下の子どものいる女性は、いない女性より就業が難しかった実態が明らかになっています。
2020年の自殺者数は男性が約1万4千人、女性が約7千人で、依然として男性が多いのですが、前年との比較では男性が23人減ったのに対し、女性は935人も増えています。主婦、年金生活者、高校生で増えています。DV相談の件数は17万件を超え、前年同期の1.5倍にふくらんでいます。性犯罪、性暴力被害のワンストップ支援センターへの相談件数も、前年同期の1.2倍に増えています。
わが国では、今も男性が家計を支え、女性は補助的に働くのが標準的だと想定され、社会保障や税制の仕組みが設計されています。コロナ禍は女性にとりわけ大きな影響を与えており、今後ジェンダーの視点を採り入れた政策立案が不可欠です。

(2021年4月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。