コロナ禍での子どものストレス増加

国立成育医療研究センターの2~3月に、小中高校生501人に実施したコロナ×こどもアンケートによれば、心の状態についての質問に対し、20%が自分や家族を傷つけてしまうと回答しています。すぐにイライラしてしまうが37%、最近集中できないが32%に上っています。昨年9~10月の調査では、傷つけてしまうは7%、イライラしてしまうは30%、集中できないは26%で、いずれも増加しています。
緊急事態宣言の延長により、学校生活でも厳しい制限が続くなか、一部の小中学校で保健室登校や休みがちな子が増えています。1年以上続くコロナ禍でストレスを発散できず、大人にも相談しにくい状況が影響しています。マスクをして接触を避ける中、友人関係の形成がうまくいかず、行事がなく発散の機会もないといった学校生活が続くことが背景にあると思われます。
長引くコロナ禍による子どもの心身への影響は、今後さらに増加する可能性があります。様々な制約で感情が動く機会がなくなり、子どもが心のエネルギーを奪われています。不適応の子は心のエネルギーが尽きていることが多く、見逃せば自殺などの重大な結果につながりかねません。時間をかけて一人ひとりに話を聞く必要があります。

(2021年6月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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