国立国際医療研究センターらの調査によれば、コロナ禍の前後で思春期の子どもの抑うつ症状は悪化しましたが、女子よりも男子の方が悪化の度合いが大きかったとしています。研究チームは、10歳のときに東京に住んでいた2,034人を対象に、16歳になった時点で直近2週間で抑うつ症状があったかを調べるアンケートを実施しています。
男女ともにコロナ禍前よりも抑うつ症状の点数が上がっています。特に男子の悪化が目立ち、コロナ禍前と比べて2020年3~5月は平均0.3ポイント、2020年6~12月は1.1ポイント、2021年1~9月は1.7ポイント悪化していました。
男子は部活や勉強といった学校での活動を共にすることで、友達との関係を築く傾向があります。コロナ禍で部活などの自粛が続き、活動の場が失われたことが影響を与えたと考えられています。また、男性に強さを求める有害な男らしさの社会規範によって、抑うつ症状があっても相談しづらかった可能性も考えられます。
(2024年2月14日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)