コロナ禍での産後うつの増加

産後うつは、出産した女性が発症するとされるうつ病の一種です。女性ホルモン分泌の急激な変動や環境の変化が影響していると考えられています。育児に過度な心配をしたり、気持ちが落ち込んだりし、育児放棄につながるケースもあります。
コロナ禍で、産後うつのリスクが増大している可能性があります。背景には移動自粛で遠方の親族に助けを頼みづらくなり、感染を気にして外出もしにくくなったという事情があります。周囲の支援を受けにくくなり、将来への経済的な不安も影を落としています。また、新型コロナウイルスによる在宅勤務の拡大で、以前より父親の育児参加の機会が増える一方、夫婦で孤立して悩みを抱え込んでしまうケースもあるとみられます。
近年の研究では、父親も産後うつになるとの調査結果が出ています。国立成育医療研究センターが2020年に発表した調査によれば、子どもが生まれたばかりの父親も、母親と同程度の水準(約11%)で精神的な不調を感じていたことが分かっています。

(2021年2月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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