コロナ禍での離職率の増加

コロナ禍で2020年の労働者全体に占める離職者の割合が、採用された人の割合を9年ぶりに上回りました。厚生労働省の雇用動向調査によれば、企業が2020年に採用した人は710万人で、入職率は13.9%です。一方離職者は727万人で、離職率は14.2%でした。入職率が離職率を上回る状況が続いてきましたが、東日本大震災があった2011年以来、9年ぶりに逆転しました。前年比で採用した人は133万人、離職者は58万人それぞれ減り、労働市場全体の縮小もみられます。
就業形態別でみると、パート以外の労働者の入職率が前年比1.2ポイント減だったのに対し、パートは同7ポイント減と下げ幅が大きくなっています。男女別では、男性の同1.8ポイント減に対し、女性は同4・1ポイント減でした。業種別は、宿泊・飲食サービスが同10ポイント減で、下げ幅が大きくなっています。
リーマン・ショック直後の2009年は離職率が、16.4%と前年より1.8ポイント上昇しましたが、コロナ禍の2020年は離職率は低下しています。休業手当を払って雇用を維持した企業を支援する雇用調整助成金などの施策が、離職を抑えた可能性もあります。

(2021年9月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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