新型コロナウイルス禍で保育所の休園が増えるなか、男女の育児負担の偏りが顕著になってきています。ドコモ・インサイトマーケティングの調査によれば、東京の主要オフィス街の日中の人出について、子育て世帯が多い30代と育児が一段落した人が多い50代の増減を比べると、年末から1月初旬は男女・年代で大きな差はみられていません。東京でまん延防止等重点措置が出た1月17日の週以降は、一貫して男性より女性の人出が大きく減っています。30代女性と30代男性の間では、減少幅で2ポイント前後の差が出ています。女性同士でも30代の方が50代より大きく落ち込んでいます。
差が開いた期間は保育所の休園が増えた時期と重なります。厚生労働省によれば、全面休園した保育所は1月6日時点の7カ所から、2月3日に777カ所まで増加しています。小学校の休校や学級閉鎖も相次ぎました。子供の対応に追われて出社が難しくなる人は、男性より女性の方が多くなっています。
(2022年2月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)