コロナ禍における休業者数の増加

新型コロナウイルスの感染拡大で、日本の雇用情勢が急速に悪化しています。4月の休業者数は過去最多の597万人に達しています。非正規雇用も前年同月比97万人減少しており、潜在的な失業が広がっています。自動車を中心に企業の減産も加速しています。休業者は失業にいたらず、仕事を休んでいる人を指します。育児休業中の人なども含んでいます。4月は、約6,800万人いる労働力人口のうち、9%が休業している計算になります。リーマン危機後の休業者は、2009年1月に153万人に達しましたが、今回はそれをはるかにしのいでいます。

感染拡大に伴う経済活動の停滞により、国内外で需要が急減しています。感染防ぐための工場の稼働停止も相次いでいます。業種別でみると、自動車が前月比33.3%減と大きく落ち込みました。これに連動して、自動車の関連部品が多く含まれる鉄鋼・非鉄金属や汎用・業務用機械も振るいませんでした。

緊急事態宣言が全国で出され、店舗の休業が増え、消費も振るいませんでした。4月の小売業販売は、前年同月から13.7%減の10兆9,290億円で2カ月連続のマイナスです。百貨店が71.5%減った一方で、巣ごもり需要を取り込んだスーパーや薬局は堅調でした。

(2020年5月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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