人工知能を使い、企業や国などを狙った未知のサイバ-攻撃から守る技術の実用化が始まりました。人工知能を使えば、これまで対応できなかった新手のサイバ-攻撃も撃退できることが期待されており、国内のIT企業も導入を考えています。具体的には、サイバ-攻撃に共通するデータや送信元、接続数などの情報を人工知能が蓄積して解析するものです。人間が学習するように未知の攻撃手法を発見する能力を高めていきます。この手法を活用し、従来技術に比べ不正ソフトの発見能力が8倍にまで高まっています。
日本でも、インタ-ネットイニシアティブが、人工知能を使った企業向けセキュリティ-システムの実証実験を始めています。ビッグデ-タの解析を通じた攻撃の予兆検地に、人工知能を役立てることにしています。社内の内部犯行対策に人工知能を使う動きも出ています。人工知能で社内メ-ルを解析し、内部犯行につながるやり取りを発見するソフトウェアを提供します。会社の不満などが書かれたメ-ルを人工知能で探し出し、犯行に及ぶ前に食い止めることもできるとのことです。
(2015年8月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)