ジカウィルスが起こす感染症で、アフリカ、中南米、アジア太平洋地域の熱帯で多くみられます。患者からウィルスを含んだ血液を吸った蚊が、他の人を刺すことで感染が広がります。ネッタイシマカや、日本にも生息するヒトスジシマカが媒介します。潜伏期間は3~12日で、発熱や頭痛、筋肉痛などの症状がありますが、ほとんどが軽症で症状が出ません。
妊婦のジカ熱の感染は、新生児の小頭症との関連が疑われています。蚊が媒介する感染症ジカ熱の拡大を受け、世界保健機関が緊急事態を宣言しました。ジカ熱自体の症状は軽いのですが、新生児の小頭症や、筋力低下などを伴う神経疾患ギラン・バレー症候群などとの関連が疑われています。ブラジルでは、昨年から小頭症とみられる新生児が急増しています。ジカ熱と小頭症の因果関係を、ブラジルで最初に医師が指摘したのがレシフェでした。
(2016年2月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)
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