ジョブ型雇用への移行

ジョブ型雇用とは、職務を明確にした上で最適な人材を配置する、欧米などで一般的な雇用形態です。職務に必要な能力を細かに記載した職務定義書(ジョブディスクリプション)を示し、社内外から人材を募ります。企業が求める能力を明確にして雇用契約を結ぶため、勤務時間ではなく成果で評価するのが一般的です。
日本では多くの企業が職務を限定せず、広く人材を採用するメンバーシップ型を導入しています。新卒一括採用、終身雇用を前提に、企業がゼロから人材を育てるという考え方が根付いています。社員の立場は安定的ですが、転勤や配置転換などの業務命令に従わざるを得ないケースが多くなります。
優秀な人材の流出を防ぎ、企業の国際競争力を高めるためには、ジョブ型が効果的な手法だと考えられるようになってきています。コロナ禍で時間管理が難しい在宅勤務が広がったことにより、成果で評価するジョブ型への移行が日本企業で増える可能性が出てきています。

(2020年5月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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