スウェーデンの専業主婦率は2%で、平均就業率は88%に達する。日本のように主婦に配慮した年金制度はなく、働かないと年金はもらえない。スウェーデンの国会議員の45%は女性で、民間企業の管理職比率は28%である。その一方で、合計特殊出生率も1.89で、日本の1.43をはるかに上回っている。その背景には育児休業制度や保育環境が充実しており、待機児童はほぼゼロである。
これらを維持する大きな支えが男性の支援である。男性の育休取得率は90%であり、男性が家事の負担を請け負う。国として男性の育児参加促進に取り組んできた効果である。先日の男性都議会議員のような存在は、スウェーデンでは考えられないことであろう。わが国の少子化の危機を突破するには、男性と社会の意識改革が急務である。これが最も難しい。
(吉村 やすのり)