ストレスチェックの活用

 ストレスチェックとは、労働者の心理的負担の程度を把握し、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐための制度です。201512月に施行された改正労働安全衛生法で、50人以上が働く事業場を対象に義務化されました。労働者に質問に答えてもらい、ストレスの度合いを測るのが一般的です。プライバシーの保護の観点から、本人の同意なく会社に結果を知らせることは禁止されています。一定のストレスがあるという結果が出た労働者が希望したら、会社は産業医らに面接させなければならなくなっています。


 厚生労働省は今年7月、ストレスチェックの実施状況を初めて公表しています。制度自体は広く知られ、実施する企業が増えています。しかし、調査結果が職場環境の改善にまでは活かされておりません。ストレスチェックには2つの目的があります。1つは個人レベルです。働き手一人ひとりが自分のストレス状態に気づき、自ら心理的負担を取り除くよう心掛けることでメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことが期待されています。もう1つは職場レベルです。強いストレスがかかる職場になっていないかどうかを会社が職場ごとに分析し、高ストレス状態にある集団には会社が対策をとるよう期待されています。

(2017年12月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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