単発で短時間働くスポットワークの利用者が増加しています。多忙な若者や長時間の労働が難しい高齢者まで利用者の裾野は広く、小遣い稼ぎの印象が強いのですが、生活費の足しにしたいという目的で始める人が少なくありません。様々な事情に対応できる働き方である半面、5割近い人が仕事でのトラブルを経験しています。
スポットワーク協会の調査によれば、登録者数は10月1日時点で約3,800万人に上っています。2022年8月の760万人と比べて大きく増えています。利用者の年代は幅広く、大手のタイミーの登録者の年代別の内訳を見ると、40代以上が約4割を占めています。
利用者が増えるにつれてトラブルも目立ってきます。連合の調査によれば、全体の半数近い46.8%がトラブルを経験したとしています。労働時間やシフトを突然変更される、賃金や手当が支払われない、現場でハラスメントを受けるなどトラブルの種類も様々です。スポットワークは、初めて会う人同士が一緒に仕事をする場合が多いため、通常のアルバイトとは異なるトラブルも起こりがちです。

(2025年10月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





