タイの暫定議会は、外国人カップルによる代理出産を禁止する法律を賛成多数で可決しました。タイは世界有数の代理出産の拠点であり、昨年8月に1人の日本人男性を父親とする多数の代理出産児が見つかったことなどから、規制を求める声が強まっていました。また昨年、タイ人代理母に出産を依頼したオ-ストラリア人夫妻が、男女の双子のうちダウン症の男の子の引き取りを拒んだことにより、社会問題化しました。
今回可決・成立したのは「生殖補助医療によって出生した子どもを保護する法律」です。代理出産の医療行為は、政府の免許を持つ機関にだけ認められ、違反者には6ケ月以下の禁錮刑などを科すことになります。商業主義目的の代理出産も禁じ、違反者は10年以下の禁錮刑となり、仲介行為も禁じられています。大変厳しい法律ですが、海外からの代理懐胎を禁止するためには、このような罰則を伴った規制が必要になります。これが守られれば、わが国から代理出産の依頼もできなくなります。
(吉村 やすのり)