ダブルケアとは、子どもの育児と親の介護を同時期に行うことをいいます。晩婚・晩産化により、ダブルケアをしなければならない母親が増加しています。ソニー生命保険、横浜国立大学、ブリストル大学が共同実施した全国調査によれば、ダブルケアの母親は精神的、肉体的に様々な負担を抱えていることが明らかになっています。それによると、ダブルケアに直面中・過去に経験と答えた母親は8%、数年先に直面すると答えた母親が14%もいました。
直面中・過去に経験と答えた母親のうち、負担を感じていたとする人は88%もみられました。負担の内容を複数回答で聞いたところ、精神的にしんどいが81%最も多く、体力的にしんどい(73%)、経済的負担(70%)が続いています。また、子どもの世話を十分にできないが62%、親の世話を十分にできないが51%あり、二つのケアのどちらかにしわ寄せがいってしまう状況が明らかになりました。ダブルケアの当事者は、育児、介護、仕事との間で何を優先すべきか迫られ、葛藤している状況も明らかになっています。縦割り行政を改め、当事者の困り事に対し、包括的に対応してくれる窓口や人材が必要だと指摘しています。ダブルケアを避けるためにも、若い時期に妊娠・出産ができる社会をつくることが何よりも大切です。
(2015年12月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)
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