政府は、新型コロナウイルスで浮き彫りになった政府の電子化の遅れを挽回するため、2021年にデジタル庁を新設します。省庁別に進めてきたシステム開発・整備を一括管理し運用経費の削減や連携を進めます。自治体システムの統一やマイナンバーカードの普及に使う財源も確保しています。
デジタル庁は2021年9月1日に設立され、内閣官房のIT総合戦略室などが母体となります。政府はシステム分野の予算を段階的にデジタル庁に一元化します。デジタル庁は500人規模の組織として発足し、民間人材を100人強採用する方針です。
地方自治体の情報システムの仕様も統一します。従来は各自治体が個別発注してきたため、独自の仕様が乱立しデータ連携が進みませんでした。共通仕様で国と自治体間の連携につなげ、全国一斉に行政サービスを迅速に実現する体制をめざします。
もう一つデジタル庁が推進する事業の柱となるのが、マイナンバーカードの普及です。行政サービスのオンライン手続きに活用する手段と見込んでいます。自治体にはカードを使ったオンライン申請に必要なシステム整備費用を支援します。現在のカード普及率は2割台で、2022年度末にほぼ全国民に行き渡る状態をめざしています。
(2020年12月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)