デジタル経済の急増

デジタル経済とは、ITをもとにした財やサービスによって生み出された経済現象を言います。OECDは、デジタル化やデータ利用によって向上する全ての経済活動と定義しています。1989年にワールド・ワイド・ウェブ(WWW)が考案されて以降、ネットを介した消費や生産活動が急増しています。
国際電気通信連合によると、世界のネット利用人口は、2019年で39億人と10年間で2倍に膨らんでいます。電子商取引などのサービスが普及し、消費者の利便性は高まっています。新型コロナウイルスの感染拡大も非接触型のデジタル化に弾みをつけました。
デジタル経済に適応したルールの整備は十分とは言えません。米IT大手などの税逃れを念頭に、130超の国・地域が、デジタル課税や最低法人税率を2023年に導入することで大枠合意しています。増加するサイバー攻撃や消費者のプライバシー保護を巡る対応策も求められます。

(2021年7月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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