ビッグデータをAIなどで分析し、社会課題の解決に生かすデータサイエンス分野を学ぶ数理・DS・AI教育科目を、全学生に必修化している大学が、4分の1にのぼっています。実施を決定、実施を検討中と合わせると、全体の6割に達しています。学部では、情報学部といった情報DS系は54%、理工学部などの理系も48%と多くなっています。法学部や経済学部、文学部といった文系でも27%に達しています。
国は2021年度から、大学や高等専門学校を対象に数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度を始めました。認定制度には、基礎的な能力を育成するリテラシーレベルと、実践的な能力を育成する応用基礎レベルがあります。国は2025年には、大学と高専の全卒業生約50万人に、リテラシーレベルの能力を身に着けさせたいと考えています。
課題と考える大学が最も多かったのは、教員の確保です。次に多かったのが、学生の基礎学力で72%です。文系学生の数学や情報系の基礎学力不足は著しく、履修意欲の欠如などは大きな課題となっています。数学やデータに拒否反応を示す学生が一定数おり、対応に苦慮することも少なくありません。
(2022年11月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)