トップ国立大における文理融合

 トップ国立大が文理融合の教育プログラムを相次いで新設します。東京大学に続き、東北大学が分野横断で学ぶゲートウェイカレッジを2027年度に新設すると発表しています。複雑化する社会課題に対応できる人材を育成することを目的にしています。文理に分けて指導する傾向が強い高校教育は見直しを迫られることになります。

 東北大学のゲートウェイカレッジでは、学生は専攻を決めずに入学し、1~2年次に文理を横断した幅広い科目やAIリテラシーなどの先端分野を学びます。日本人学生については、入学後の半年間で英語を集中的に身につけます。1年次は寮生活も経験します。3年次に興味関心に合わせて専門分野を選びます。卒業後は基本的に国内外の大学院への進学を想定しています。

 例えば地球温暖化対策に対しては、そのメカニズムを理解する気候科学に加え、再生可能エネルギーなど技術分野、世界各国と協調して対応するための国際政治学の知見も求められます。AIの開発には情報工学の知識だけでなく、権利侵害などに目配りするための法的、倫理的な視点が必要となります。

(2025年10月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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