ドナー卵子による妊娠・出産

 匿名の第三者からの卵子提供を仲介するNPO法人である卵子提供登録支援団体(OD-NET)によれば、第三者の女性が提供した卵子を体外受精させて移植した不妊の女性が出産したとのことです。国内では姉妹や友人が提供した卵子での出産例はありますが、匿名の第三者が提供した卵子による出産が公表されたのは初めてです。
 OD-NETは、病気などのため卵子はないが出産可能な夫婦に対し、無償で卵子を提供するボランティアの募集を2013年に開始しました。提供者は35歳未満で既に子どもがいることなどを条件としています。同団体は、卵子提供を仲介するため不妊治療専門医やカウンセラー、卵子がない患者の家族らで構成されています。
 卵子提供による体外受精では、不妊治療クリニックでつくる日本生殖補助医療標準化機関(JISART)が独自のガイドラインを作成しています。同機関の倫理委員会の承認数は73件で37人の赤ちゃんが生まれています。今回のドナー卵子による出産は、JISARTのガイドラインを遵守して実施されていますが、親子関係を含めて法整備が必要となります。

(2017年3月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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